先日完成したTLR200の話。
最初の予定では、前後ディスクブレーキに改造したりスペシャルなマシンを作ろうと思っていたんだけど、いじっているうちに、このトライアル界が誇る名車に敬意を表し、保安部品なども含めて「スタンダードの状態」を再現しようと思うようになった。
で、完成したマシン(ほぼスタンダード状態)を見ると、ヘッドライトやテールライトまわりをすべて含めて、トータルでデザインされているのがよくわかる。
う~ん、カッコイイ
つまり、ノーマルのヘッドライトとテールライトが取り付けられた状態で全体のバランスが取れているということだろう。まったくスキがないデザインだ。
これでヘッドライトとテールライトを取り外したり小型の物に替えたりするとと、タンクの大きさやリアフェンダーの下がり具合が目立ってしまい、カッコ悪くなってしまうのだ。
改造するんだったら、タップリと時間をかけてこれくらいの物を作らないと私としては納得できない
↑TWKサイトの「ショップ案内」で紹介している'99年に製作した“超スペシャル”TLR200。
このマシンは、とにかく「素人っぽさ」を感じさせない仕上がりにしようと思って、デザインとかにもずいぶん気をつかったけど、じつはその走行性能も恐るべきポテンシャルに仕上がっていたんです。
この頃のトライアルマシンは、おそらくフロントアップがしやすいように重量配分を「後ろ寄り」に設定するのが主流になっていたと思う。
このTLR200もその例にもれず、かなりエンジン位置が後ろに設定されていて、簡単にフロントが浮く。
ということは「急な登り」に弱いし、段差越えの際リアタイヤが障害物の上にあがるのに大きなエネルギーが必要になるのだ。
この時代に登場し、飛躍的にアップした走破性で一世を風靡した“YAMAHA TY250R”は、モノサスによる特性だけでなく、思い切った「前寄り」の重量配分もその走破性向上に一役かっていた。
当時、TYRに乗り換えた仲間の
「フロントは上げにくいけど、前さえ上がっちまえばあとは何もしないでも後ろは上がるよ」という言葉がすべてを表していたような気がする。
で、このスペシャルTLRはエンジンを5cm前に移動してスイングアームを5cm延長し、リアショックを今風の特性にいじったこともあって「2本サスでもモノサスと遜色ない走破性」を得る事に成功していたのだ。
そういえば、一年ほど前に
イギリスのトライアルサイトの掲示板のようなところにこの写真がコピペされ、あれこれと「的外れ」な書き込みがされていて笑ったものだ。
このスペシャルTLR、売るつもりはなかったのだけど、当時たまに店に来ていたお客さんがどうしても売ってほしいというので、ちょうど子どもの学費にキューキューしていた事もあって手放してしまったのだが、何年か後にオークションで売りに出されていたという話を耳にして、ちょっぴり悲しくなったものだ‥‥‥。
―――今どこにあるのかな???消息をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントください
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