先日ツインリンクもてぎへセクション設営作業をしに行った時の話です。
ツインリンクもてぎでは、新たな場所を切り拓く前にそこにある貴重な自然を破壊しないよう、必ず調査を行なってから作業に入るのですが、今回初めてその調査を委託されている方たち(「昆虫植物協会」とか、そんな名称だったと思う)にお会いすることができた。
以前からいろいろ話は聞かされていて、たぶん自然を破壊するモータースポーツに否定的な“コワい方々”だろうと思っていたのですが、実際に会って話をすると、とても話のわかる「自然を愛する人たち」だったのでホッとひと安心しました。
で、今回新たにセクションを作る「南コース奥」の斜面には、こんな“希少種”が咲いていました↓。
「ナガハシスミレ」といって、日本海側にしか分布しないとされている種類だそうです。
これによく似ているものに「タチツボスミレ」があります↓。
じつは何年か前に、やはり新しい場所にセクションを作る前に「希少種のスミレが咲いている」というのでそれを別の場所へ移植してから作業に取り掛かったことがあって、それも「ナガハシスミレ」だったのに、当時私はそれがこの「タチツボスミレ」だと勘違いしてサイトに紹介してしまいました。
写真を見比べて解るように、ナガハシスミレは後部の突起が天狗の鼻のように長く、別名「テングスミレ」とも呼ばれ、花の大きさもタチツボスミレよりひとまわり小さい。
調査に来ていた協会の方の話では「ナガハシスミレは寒い地方にしか生息しないはずなのに、それがなぜこのもてぎの地に咲いているのか不思議だ」ということです(それほどツインリンクもてぎは寒いってこと???)。
結局新しいセクション予定地付近に咲いていたナガハシスミレを他の安全な場所に移植してからセクション設営作業に入ったのですが、協会の方は特に神経質になるわけでもなく「この辺では珍しくても、新潟あたりへ行けば“雑草”のようにバァーッと生えてるよ(笑)」と明るく語っていたのがとても印象的でした。
トライアルは、モータースポーツの中では一番自然に優しく、これから先、環境問題がもっともっと重要視されるような時代になっても、きっと社会に認知されて「生き残る」ことができる競技だと思うので、これからも「自然との共生」路線を進み続ける必要がある、と改めて感じさせられた今回の出来事でした。
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