前回「日曜日くらい遊びまくるぞ宣言」をしたところ、さっそく複数の注文主様より「ずいぶん前に注文したパーツはいつ頃発送予定ですか(-_-メ)」的なお問い合わせが殺到(笑)。やっぱり日曜日に遊び呆けてる場合じゃないみたいです(>_<)。
まぁ、世界選手権トライアルが終わってからちょうど一カ月が経ち、パーツ製作も順調に進んで‥‥‥と言いたいところですが、じつは最近になってようやく調子が戻ってきた、という感じです。
しつこいようですが2月末の関東選手権から始まって、全日本関東大会そして世界選手権トライアルと怒涛の3連続設営作業、しかもその間に青色申告~確定申告という事務作業も終わらせなければならないという地獄のスケジュール。われながらよく乗り切ったと思います。
最後の世界選手権トライアルが終わった時、その時はあまり疲れを感じていなくって「あと1日はやれるなぁ!?!?」とか思っていたのですが、その翌日からどっと疲れが出てしまい、一週間ほど「廃人状態」で何もやる気になれない日々が続いてしまったのです。
やはり世界選手権トライアルが無事終わるまでは気が張ってたのでビシッとしていたのですが、全部終わってほっと一息ついたらそれまでの疲れが一気に出たのでしょう。
考えてみれば、毎日のように重たい道具を背負って山を歩き回り、チェーンソーで木を切ったりハンマードリルで岩に穴をあけたり、それはそれは過酷な重労働の連続。疲れないわけがないのです。
そんな疲れが溜まった状態でパーツ製作をしていると、やはり集中力不足でミスをすることが多くなります。
つい先日も
BETA用スペシャルクラッチカバーを
旋盤でバリバリ削り出していた時に、バイト(旋削用の刃)の送り方がちょっと雑になった瞬間に刃先が一気に食い込んでしまい、あわや事故になってしまうところでした。
幸いにも被削物が外れて飛んでしまうことにならずに済んだのですが、高速で回転している大きな塊が外れて飛んでしまい、それが頭に当たったりしたら最悪の場合は死に至ることもありますから、作業に当たってはいつも気を引き締めて集中力を切らさないようにしなければなりません。
そういえば昔、私の旋盤の師匠がいつも口癖のように言ってた「バイトは"切れる分だけ"送ってやる」という教訓?があるんだけど、当時はこの「切れる分だけ」送るという意味がよく解らずにいた。
だって、力を入れれば入れた分だけ切れるじゃん!?!?―――そう思っていたのだけど、この言葉の意味することこそが「匠の心」「職人魂」そのものだと気付いたのは、それから何年も経った後のことだった。
つまり、言葉で表現するのは難しすぎるんだけれど、「加工される物の気持ちを読み取れ」ってことなんですよ。
このことは旋盤作業に限らず、いろんなことに当てはまる。
たとえばアルミの溶接。アークで溶かそうとしているアルミが、いまどういう気持ちなのか―――もっと熱を加えてほしいのか?それともその逆か!?―――そういう「アルミの気持ち」が自然に解るようになれば、それはもう立派な「溶接職人」。
そしてその根底に流れるものはあの「切れる分だけ送る」の精神なんじゃないかなぁ。
(ちなみにこの「私の旋盤の師匠」というのは、今から15年前に他界した父です)
‥‥‥なんだか話がずいぶんそれてしまいましたが、アルミの気持ちを無視して削ろうとしたために、製作途中で「傷モノ」になってしまったスペシャルクラッチカバーがコレです↓
バイトが食い込んでしまった時についたキズのアップ↓
まぁこの程度だったら強度的にはぜんぜん問題ないし、取り付けてしまったら見えない内側のキズだから、これだけでボツにしてしまうのはもったいない気がするけど、この状態で普通に売ることはできないので【訳あり品】として定価の10%引きで販売することにしました。
→TECHNO/REV-3/Evo用スペシャルクラッチカバー【訳あり品】この私が「命がけ」で一個一個丹精を込めて削り出してるこのパーツ、捨ててしまうのはもったいなさ過ぎるでしょ!?!?
―――5/31追記―――
上記「訳ありクラッチカバー」、おかげさまで売れました。
お買い上げありがとうございましたm(__)m。
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