今回の試用レポートは
「S3 オフセットワイドステップKIT」。
最初このステップを見た時は「ヘンなカタチ(ーー;)」と思ったのだけど、この形状にはいろいろなメリットが隠されていることが、実際に自分で使用してみてよ~く判りました。
まず一番安心感につながったのが、不意に足を出す時にブーツの底が引っかからないという事実。
トライアルライディングでは、バランスが崩れて瞬間的に地面に足を付いて支える場面が多くあるのですが、その際にブーツの底がステップに引っ掛かってしまうと、足を出すことができずに危ない転び方をしてしまいます。
特にトライアルブーツは、底のグリップも重要であるためブロックソールが採用されていることも、ステップに引っ掛かりやすい要因となっています。
実際に私自身、ステップにブーツの底が引っ掛かって危険な転び方をした事が何度もあります。
このようなことを防ぐには、ステップから足を離す際に足をいったん上に持ち上げるようにすればいいのですが、予期しない外乱等で瞬間的に足を出す場合などはそんな余裕もなく、ブーツが引っ掛かって足を出せずに大転倒につながるケースもありがちです。
そこでこのS3ワイドステップの形状が生きてくるのです。
見ていただければわかるように、このステップの踏み面は外に向かって開くような形状になっているので、足を出す際にブーツ底のブロックがステップ内側に引っ掛からないようになっているのです。
それでいてライディング中にステップに加重する際は、前傾姿勢や後ろ残しの体勢時にもステップの歯がブーツ底に直角に近い角度で食い込むため、非常に踏ん張りが効くのです。
このブーツが引っ掛かりにくいという点は少し乗っただけでハッキリと体感でき、大きな安心感につながりました。
また、トライアルライディングはライダーの前後左右の動きがとても大きいので、ステップとブーツの底との接点はつねに前後左右に変化するため、ステップの大きさというものが非常に重要なファクターになります。
幅が狭すぎると当然踏ん張りが効かないのですが、前後の幅があまり大きすぎても前傾姿勢と後ろ残し体勢でのブーツの接点がずれ過ぎてしまい、スムーズな体重移動や足首のバネを使ったライディングの妨げになってしまいますし、横方向の幅が広すぎてステップの先端がブーツの底の外に出てしまうような状態では、左右の体重移動がスムーズにできなくなってしまいます。
つまり、ステップの大きさというものはやたら大きければいいというものではないのですが、このS3のステップの大きさは、そういう意味でまさに最適のサイズに設定されていると思います。このあたりはさすが「トライアル王国」スペインの製品であると感心させられました。
さらにもう一つ、この形状が生み出すメリットとして、ステップ下面が岩などの障害物に引っ掛かりにくいという点も見逃せません。
もちろんトライアル車のステップは折りたたみ式になっているので、何かにぶつかれば逃げる構造になっているのですが、当たる面に大きく角度か付けられていることによって、よりスムーズに逃げるようになり、さらには転倒等によって可動方向と逆の後ろからの大きな力が加わって、従来のステップでは変形してしまうような場面でも、斜め部分に当たって逃げる方向に力が分散され、変形しにくいステップであるといえるでしょう。
最後に、商品名にも入っている「オフセット」―――つまり、スペーサーを入れる位置によりステップ位置を最大5mm移動できる、という点については、あまり細かいことは気にしない(というかわからない!?)私には、その違いが体感できませんでしたが、繊細な感覚を持っているライダーならその微妙な違いが判るのかもしれませんね。
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